【森(モリ)】
単に森とか小森と呼ぶのは、ほとんどが地主神や荒神、イワイガミ・野神・山の神などの民俗神であろう。
大森、森宮、権現森、稲荷森、熊野森、黒森、笹森、高森、飯森(飯盛)、大森山、黒森山、高森山、飯森山
水害・崩壊
歴史地名
現代地名
「森(モリ)」という地名は、その由来が非常に深く、多面的であることが特徴であり、「モリ」という古語は本来「森」の意味ではなく、盛り上がったという意味を持ち、ドーム状の山にこの名称が付された背景があり、また、アイヌ語では「mo-ri」は「小さな山」を意味し、これは「森」の原型とされ、神霊の山として北海道全域に分布していると言われ、さらに、朝鮮語では「頭」を意味する「mori」が伝わったもので、現在でも高い場所を「〇〇ノ頭」と称することがあり、「森」という言葉が山そのものを指す例は東北地方に顕著であり、それに次いで四国地方(特に愛媛県と高知県)に多く見られることから、それは古代に太古の時代、山を「モリ」と称する用法が全国的に広まっており、周囲の残存分布として現在まで残ったことを示唆しており、さらに、この「森」は本来、鎮守の森との関連が深く、これが普通の木立の意味にも転用され、また古くは「神社」を「モリ」と読む例もあり、「杜」という漢字が「社の森」から由来することに繋がるため、「森」は神祭りに用いる神聖な樹林を指し、地域の歴史的、文化的背景を含んで形成されていると考えられ、四万十町における「〇〇森」の山名、例えば鈴ヶ森、火打ヶ森、城戸木森、堂が森なども中世の国境に位置し、これらの山が境界という形で、あの世とこの世を分かつ結界であり、災いを防ぐ祈りの「神聖な樹林地」としての役割を果たしてきたことから、こうした要素が何層にも重なり合い、地名「森(モリ)」の由来を形成しているのです。