【八重(ハエ・ハイ)】

意味

九州では山中の緩傾斜地や小平地のことをいう。ハイともいう。海の岩礁、海中の広い暗礁。

八重、碆

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詳細説明

「八重(ハエ・ハイ)」という地名に関する由来は、南方からの民族移動と関連しており、琉球や南九州地域において、特に海抜の高い場所に多く見られる「八重(ハエ)集落」が、かつての南方渡来者による移動の痕跡であり、この「ハエ」という呼称が沖縄の「南風原(ハエバル)」のように南風や南方を意味することと結びつけられていることがある; さらに「ハエ」という地名は、岩礁を意味する場合があり、アイヌ語においては「汐が引いて現れる頭」を表す地形とも関連付けられ、四国や九州の各地でもさまざまな漢字を当てて「八重」、「碆(ハエ)」と記されている; このような地名の広がりは、鬼界カルデラの海底火山の大爆発・噴火後に南方から移住してきた人々が定住したことが関与していると考えられると見解が示され、またこれらの地名がオーストロネシア語族由来の「paRih」(ガンギエイ)という語彙に基づく可能性も指摘されており、隼人族を指す「隼人(ハヤト)」という呼称は「南の人」あるいは「南方から来た人々」を意味するものであるとして、地名に見られる「ハヤ/ハエ/ハイ/ヤエ」が古代における南からの渡来経路と関係することが示されている。