【奈良(ナラ・ナル・ナロ)】

意味

中国・四国地方に多くみられ、平坦地または緩傾斜地を意味する。平坦地の貴重な山地にあることが多い。

平、成、ナラ(奈良)、ナロ(奈呂)

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詳細説明

「奈良」という地名の由来については、主に『日本書紀』と韓国語に由来する二つの説があり、まず『日本書紀』には、崇神天皇の時代に那羅山(ならやま)という平らな地形を指す言葉として使われたことが記されています。特に那羅山は現在の奈良の平らな地形であることから、そこに住む人々が「奈良」と名付けたとされ、平ら(なら)という言葉が都城を意味する「城(き)」と組み合わさり、現在の都の名「平城京」として定着したと言われています。さらに、日本国内の地名研究者である柳田國男は、平らな地形を意味することを示し、これが日本各地の類似する地名にも関連しているとしています。対して、韓国語に由来する説では、「나라(ナラ)」が韓国語で「国」を意味することから、歴史的に日本が朝鮮半島と交流があった結果、その名前が奈良という地名として影響を受けたという考え方もあり、これは特に言語学者の金沢庄三郎によって提案されました。それでも、朝鮮語でこの言葉が確認できるのは15世紀であり、日本各地に同様の地名があるため、必ずしも奈良に特有の由来と断定できないという意見も存在します。これらの説はいずれも奈良の地名が持つ豊かな歴史と、多様な文化交流を背景に形作られたものであり、どちらか一方が決定的というわけではなく、奈良という土地に込められた多様な意味合いを反映しているといえるでしょう。