【灘(ナダ)】

意味

海の一部を指す地名であるが、地域によって波打ち際からはるか沖合いまでのさまざまな範囲に使われる。

鹿島灘、相模灘、熊野灘、薩摩灘

崩壊

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詳細説明

兵庫県の灘(ナダ)は、大阪湾北岸の武庫川河口から旧生田川河口に至る約20キロメートルの地域で、酒造に必要な良質の地下水「宮水」が特に知られており、この水の発見が1840年(天保11年)に灘地域を一大酒造地に変貌させ、東部の西宮市の西宮郷・今津郷、神戸市東灘区の東郷・中郷、灘区の西郷の五郷(灘五郷)を形成するきっかけとなりました。また、「灘」という地名が用いられるようになったのは、酒造が盛んな頃に「灘目」と称されたことに由来し、その後、しだいに今津、西宮、魚崎、御影、西郷が主力となる「灘五郷」に発展しました。この地域では昔から樽廻船による水路の便が良く、速やかな酒の輸送が可能であったことも灘の繁栄に寄与し、その結果、江戸時代中期には池田・伊丹を凌いで全国有数の酒どころとなり、伝統的な酒造技術や良質の米がもたらす良質な酒、「灘酒」として名高く、今日に至るまで日本一の酒の産地としての地位を保っています。