【串(クシ)】

意味

小さい山や丘もしくはそれを越えるところを意味し、コシと同系の地名。海岸では岬の意味に使われる。

串、櫛、久志、久慈

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詳細説明

「串(クシ)」という地名は、主に西日本の海岸地域に多く見られ、その語源として、朝鮮語の「コス」(岬という意味)から来ているという説がありますが、日本国内のいくつかの地域では、地形的特徴や文化的背景によって多様な意味で理解されています。串地名は岬のほか、細長い半島や海岸に突出した地形を表すことがしばしばで、これは古代の日本人が地形を基に地名を付けた文化を反映しています。たとえば、高知県土佐清水市竜串は細長い岩礁が海中に延びており、これは頭をとく櫛のようだとされ、その名に由来しています。また、渡来人との関係も考慮され、西日本に多く見られる「串」地名は歴史的な文化交流や移動の影響を物語っていると考えられます。柳田国男は、串地名の中には神事に使う矢としての串や、占有地の境に刺す串としての意味もあるかもしれないとし、地名が単に地理的特徴だけでなく、個々の地域の文化や歴史の中で独自に発展してきた可能性を示唆しています。