【吉良（キラ）】

吉良町という地名の由来は、愛知県西尾市に属する三河湾に面した地域で、かつては吉良義央の領地であり、江戸時代に治水や製塩で名を馳せたことで地元住民から名君として慕われたことに由来します。江戸時代初期にこの地域が吉良氏の支配下に入った際、青鳥山近辺の地質に見られる斑れい岩を貫通するペグマタイトの中から白雲母（キララ）が採取されたことから、「吉良」と名付けられました。これは、地名が「吉良」となった背景に地質学的特徴と歴史的背景が交錯していることを示しています。江戸期、吉良町は条東松平氏と吉良氏の居城であった東条城や岡山陣屋が所在し、製塩業や農漁業、三河湾国定公園の温泉地としても栄えた地域です。2011年に西尾市に合併されるまで幡豆郡に属し、多くの寺社や古墳、歴史的文化財が立地し、文化遺産としてその名を残しています。