【椿市(ツバイチ)】
意味
桜井市三輪、大神神社前、小字「大鳥居」、同「椿井」付近の地名。椿市の「市」は「地」の意か。
例
椿市
他


詳細説明
奈良県桜井市に位置する椿市(海石榴市、つばいち)は、古代には日本の重要な市であった場所で、その地名由来は、同地の象徴的な植物である椿(つばき)が三輪山に豊富に生えていたことに由来しており、それが市の名に取り入れられ、さらに市場(いち)としての役割から「ツバイチ」という名称になったと考えられており、『万葉集』や『日本書紀』にも記録が残るこの地は、奈良時代には政治的、文化的な要所であったことから、水陸交通の要衝として賑わい、歌垣が催される場所でもあり、平安時代になると長谷寺参詣の拠点地としてさらなる発展を遂げたとされ、また地名の表記方法には「海石榴市」や「海柘榴市」の文字が使われるが、その選定については一定の基準はなく、概ね次第に音便化されて現代の「つばいち」に至ったと考えられている。