【麻布(アザブ)】
意味
戦国期の小田原衆所領役帳に「阿佐布」と見えるのが所見。「麻布」の表記があらわれるのは元禄期から。
例
麻布
他


詳細説明
麻布という地名の由来は、多くの説があるが、その中で特に有力なものは、古くからこの地域が麻を栽培し、布を織る産地であったことから「麻布」と呼ばれるようになったという説であるが、この地名は江戸時代には阿佐布、浅府、麻生、安座部など様々な表記が見られたことから、漢字の当て字や発音の変遷などによるものであると考えられるほか、その地形的特徴からアイヌ語で「船で渡る」という意味を持つ「アサップル」に由来するという興味深い説も存在することから、麻布という地名はその歴史とともに様々な文化的背景を持ちつつ、江戸時代の終わりから17世紀の町の発展期にかけて徐々に「麻布」という表記が定着していったと見られており、このような複合的な経緯が現在の麻布という地名の由来として残されている。