【横大路(ヨコオオジ)】

意味

横は東西方向を意味し、東西に通る大路をいう。

横大路

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詳細説明

「横大路」という地名は、古代の条坊制や条里制に基づく道路体系に由来し、南北の幹線である「大路」に対して東西に走る大きな道を「横大路」と呼んだことから生まれた名称である。律令国家の時代、都の条坊制や農村の条里制では道路が碁盤目状に整備され、南北方向を縦大路、東西方向を横大路と呼び分けていた。この呼称が地域名として定着し、特に京都市伏見区の横大路は、奈良街道や山陰道など主要街道が交差する交通の要衝として発展し、平安京や奈良と地方を結ぶ重要な宿場町として歴史的役割を果たした。奈良・大和地方などでも同様に条里制の名残から横大路の地名が残り、東西に走る大路を象徴する名称として受け継がれている。つまり「横大路」は、単なる道の名前ではなく、古代道路網や交通史の記憶を宿した地名であり、当時の社会や都市構造の姿を今に伝える重要な歴史的痕跡といえる。