【麓・府下(フモト)】
意味
鹿児島の各地で士族集落をいう。近世の薩摩藩において在郷の武士団の居住集落として形成された。
例
麓、府下
他


詳細説明
都城市山之口町の「麓」は、奈良・平安時代の官道である日向16駅の一つ水俣駅があったとされる地域で、救仁駅に向かう険しい青井岳山中の入口に位置しており、薩摩藩時代から地頭館が存在したため「府本」と言われていたのが転じて「麓」となり、一方、宮崎市高岡町の「麓」はその名称が「フミモト」ともされた由来で、山を踏み始める場所を意味し、自然豊かな場所にあるためその文字通りの位置に起因しており、かつては「城南」とも呼ばれ穆佐城の南にあったため地区の名称ともなり、高原町の「麓」も同様に、薩摩藩における外城(とじょう)の一つとして地頭仮屋を中心に武士集落が形成された場所を指し、旧薩摩藩領である小林市須木の「麓」は須木城を中心にした地域から呼ばれるようになり、このような名称の付け方は、一定の歴史的経緯によって地名として定着し、「文弥人形浄瑠璃」の文化財指定や地形的特徴に根差したそれぞれの地域の個性を表すものとなっている。