【庭(ニワ)】
意味
部落内の小区画。古くからの「労働と祭りの共同の場」という意味が、最小地域共同体の呼び名になっている。
例
ニワ、庭
他


詳細説明
庭という地名は、日本各地に存在し、例えば岩手県の雫石町にある安庭村は、雫石川南岸に位置し、古く正保国絵図などに「阿庭村」としての痕跡が残されており、また縄文時代の遺跡が存在することから古代より集落が形成されていたことがわかり、地名の由来としては、村名の読み「にわ」が「庭」と同じ音であるため、そこから現在の地名が付けられたと考えられるが、さらに正保年間から元禄時代の繋村肝入館市家留書や天和年間の惣御代官所中高村付では土地の収穫高が記載されており、こうした歴史的資料から地名としての「庭」が示す地域の豊かな背景をうかがい知ることができ、また長野市信更町にも安庭村があり、この安庭村は犀川段丘の上に位置し、縄文期の遺跡があることから先史時代より居住者がいたことが想像され、その後の戦国時代には上尾城主であった平林氏の支配下にあったが、慶長七年には川中島四郡検地打立之帳に村の収穫高が記載されるなど、これらのデータは安庭村の成り立ちと発展を裏付けるものであり、こうした地名としての「庭」を持つ地域が示す歴史や文化の多面性は、我々にその地が持つ自然環境や歴史的背景、そしてそこに住まう人々の生活や文化の変遷を解き明かす興味深い手がかりを与えてくれると考えられる。