【無田(ムタ)】

意味

『大日本国語辞典』では、「草の生い茂った沼」とある。一般には「湿地・湿田」と理解されている。

牟田、無田

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詳細説明

「無田(ムタ)」という地名は、熊本県をはじめ九州に広く分布しており、その由来は草が茂る沼を意味し、水が近い所を指すとされ、日本国語大辞典にもその定義が見られるが、全国的には「ムタ」地名は87カ所確認され、そのうち84カ所が九州に集中していることを考えると、九州独特の地名であることがわかり、特に福岡県大牟田市のように大きな泥炭地に由来する例もあり、熊本県内では玉名平野、八代平野、熊本平野、阿蘇などにも多く存在し、これらの土地は沖積平野であり、かつては川の上流から運ばれた土砂が積もり、湿地が多い地域であったため、土壌が肥沃で水はけが良くなると良田になることから、積極的に開拓されてきたが、地名には「牟田」や「無田」といった漢字が当てられ、阿蘇地域では外輪山に囲まれた阿蘇谷がかつて湖であったことから「ムタ」という名称が多用されており、それが地名に反映されているという点でも、自然地形や歴史との深い関連が感じ取れる。