【追分（オイワケ）】

「追分」という地名は、「追分」（おいわけ）が示す通り幹線街道から支線街道に分岐する地点を指し、そこに発展した集落名にも用いられることが多く、その名称は古くから日本各地に残っており、この地名が普及する背景には交通の要所としての役割があったと考えられ、具体的な地名の例として北海道の安平町追分ではJR室蘭本線と石勝線の分岐点として重要な交通拠点を形成していたことから地名に採用され、また長野県軽井沢町の信濃追分は中山道と北国街道の分岐点にあった宿場町として名を馳せ、さらに江戸時代には追分の地で民族歌謡である「追分節」が生まれたとされるなど、その歴史的背景も多様であり、こうした地方の特色に応じた役割を果たしてきた追分の地名は、単なる地理的な分岐点を示すだけでなく、地域の歴史や交通の歴史を物語る地名として知られている。