社会文化の地名

農地開発、殖産興業、新田開発など、新たな土地利用のために開かれた地域に由来する地名。

アラキ

アラキは新墾のことで、新しく開墾した土の粗い地をいい、焼畑開墾地をいう名彙ともなっている。

イッシキ

荘園制の一色田が地名化したもの。一色田は年貢だけを賦課され、雑公事を免除された田地をいう。

オノ

山腹など小高い場所の緩やかな斜面をいい、字義通り小さな野原である。小野氏の氏族ともかかわっている。

鹿
鹿
カノ

カノ・ナギは、焼畑をいう。語源は「刈野」にあるという。刈るも薙ぐもほぼ同様の行為である。

キョウデン

キョウデンには諸説があって、競田の意とする説、給田の訛りとする説、経田とする説などがある。

クソウズ

草生水とも記す。 石油の原油の越後地方での古称。

コウヤ

コウヤは荒野あるいは曠野というべき荒地を指す素地名でこの地名は近世の開拓地名として興っている。

ダルマさん
サス

関東地方では焼畑をサスと呼んでいる。東京都はじめ佐須の文字をあてた地名がみられる。

シンジョウ

新庄は荘園・古庄に対する新開拓の荘園であり、新城ともつくり、全国的に広く分布をみている。

シンデン

一般的には新たに開拓された耕地(田畑とも)を新田といい歴史的には新田開発によって生じた開発地をいう。

ソリ

ソリ・アラシは焼畑をいうとともに焼畑後地ならびに山の急斜面または崩壊地名をも意味する。

ヌマ

湿地・沼地名彙。ヌタは怒田・垈・沼田とつくり、ヌタ・ニタ・ノタはともに泥土をいう。

ハリ

ハリは、治・墾・榛などとつくる。未墾地の開墾をあらわし、榛はハンノキという木の植生地に基因する。

ハル

ハルは、治・墾・春などとつくる。春は「開く」「掘る」にも通じる地名がある。

ベップ

中世から江戸初期にかけて別府とも書き、旧来の荘園に対して別の免符によって開拓した荘園を意味する。

ムタ

『大日本国語辞典』では、「草の生い茂った沼」とある。一般には「湿地・湿田」と理解されている。

ヤチ

湿地・沼地名彙。ヤチは谷地が一般的であるが、谷内・野地・屋地などとも書く。