城の正面で表門のあるところを大手あるいは追手ともいい、普通この表門を「大手門」と称する。
社会文化の地名
戦国・江戸時代に築かれた城と、その城下町に形成された商業・行政地区に関係する地名。
垣で囲まれた豪族屋敷または集落が「垣内」と呼ばれる場所であったと思われる。
古くは城をキと呼称していた。「上下に石で堅小固に築いた城」とする説もある。
琉球弧に属する奄美諸島・沖縄諸島・石垣諸島に分布する城の呼び名。琉球の祖霊神ニライカナイの拝所。
城郭の中の一定の区城を示す名称。城の中核部分を取り巻いて外側へ防衛線を輪のように設営した。
近世城下町における武家屋敷町の名称。同職の者が長屋に集団で住居しており、その居住地のことを呼んだ。
城郭の要所に当る部位の名称で、敵勢が一時に攻めこまないように道路を狭くし曲折させてあるところをいう。
戦国時代に中国・四国で多く使用された中世の城下集落をさす地名。山城の麓に発展した集落である。
城をキと呼ぶ時代より後の呼称。城の存在を示す地名、城の所在と形や機能を示す地名がある。

中世前期に、合戦の際に臨時に構築される城郭のことを「陣」と称した。

城を持たない万石以上の大名の居所、あるいは天領の代官など幕府の役人の駐在するところを陣屋と称した。
本来は低地に臨んだ丘陵の先端の地形をさす語であるが、東北地方には館と呼ばれる独特の城郭形態がある。

地形的には海岸丘陵、沼沢または海岸に近い丘陵などの要害の地に堀をめぐらし、内側に土塁を作る。
中世の領主屋敷を起源とする地名。土塁は「土居」と呼ばれて領主の屋敷を示す呼称となった。
砦は「本城の外の要所に設けた小規模な城で木柵などで囲って内に栄兵を置く出城」の意味に取られてきた。
山の根元(=麓)に設けられた小屋とか寝小屋の意味。豪族屋敷村で東日本における城下町の初期の形態。
城の麓に設けられたことからフモトと呼ばれた。この「麓」制度は薩摩藩によってはじめられたものである。
近世城になると鉄砲の普及によって堀が拡幅・強化されてきたため、堀が地名として定着したものが多い。
居館の特色である堀をめぐらすということが象徴となって、領主の屋形を「堀の内」と呼ぶようになった。
近世城郭における郭の名。城の防衛線を曲輪と呼び、曲輪が丸と呼びかえられた。